「また今度ね」


「ええ~!


良いじゃん、減るもんじゃないんだし」


「私の精神が磨り減っちゃうよ」




その時、教室の扉が開いて、沖本君が教室に入ってきた。


何だ、もうサッカー部の練習終わったんだ。


ずっとやっとけば良かったのに。




そう思って沖本君を睨んだ。


と、その瞬間、沖本君がこちらを見てきたので、私はぎょっとして、慌てて笑顔に切り替えた。


これも、沖本君を好きな振りだ。


すると、沖本君もにこっと笑った。




ほっ。


どうやら、私が睨んでいた事はばれてないみたい。


良かった…。




だけど、その時、私を睨んでいる人がいたのを、私は気付いていなかった。