沖本君に向かって




「頑張ってー!」




と、私は声援を送った。




すると、沖本君はこちらを見て、一瞬驚いているように見えたが、すぐに笑顔に切り替えて、


コクリ、と頷いた。




何あれ。


馬鹿みたい。


本当は頑張って欲しくない。


どうせなら、皆から笑われる位のプレーをして欲しいわよ。




私は苛立った。




何でよりによってアイツを好きなフリを……。


他の男子ならまだいい。


でも、アイツは……何か嫌なのだ。


生理的に受け付けないというか、絶対に私とは合わないタイプなのだ、彼は。




はぁ…。




こんな事が、一体どれ位続くのだろう…。




そんな事を、考えていた。