いつも屋上の扉は閉まっていたので、私は少し驚いた。




そして、恐る恐る進んでいくと、そこには沖本君が居た。


屋上は少し風が吹いていて、少し肌寒かった。




「あ、あの………」


「嗚呼、片岡。


来てくれたんだ、ありがとう」




沖本君は、私にお礼を言いながら笑った。




いや別に…。


だって来てくれて言われたから来たんだし………。


お礼言われる程じゃないでしょう…。




「で、その…何か用…………ですか」




私がそう言うと、沖本君は後ろを向いた。




「?」




その行動の意味がよく分からない私。


何故だかもじもじしている沖本君。