それから、彼の事が気になって、授業に身が入らなかった。


いや、それは好き、とか恋してる、とかそういう意味で気になっている訳ではない。


けれど。


彼の事が気になるのだ。




その理由は、よく分からないけれど。




そんなこんなで、あっという間に放課後はやって来た。




皆、友達同士で帰ったり、部活に行ったりする中で、私一人は、屋上へと向かっていた。




嗚呼、あそこに行けば一体、何があるんだろう。


私にとって都合の悪い事かな?


だとしたら、「今日どうしても無理」とでも言い切っておけばよかった。




なんてちょっぴり後悔。




でもまあ、今日は雅が休みで、あんなに沢山の人がいる中で自分一人、よりはマシなのかな…………。




そんな事を考えながら、いつの間にか目の前には屋上へ続く扉。


どうせ、空いていないんだろう、と思っていたが、ダメもとでドアノブに手を掛けるとー……。




キィ……と嫌な音と同時に、扉が開いた。