その疑問が私の顔に出ていたのか、沖本君は




「実は本当は弁当は静かに食べたいんだよな～。


やっぱ、静かに食べる方が消化も良いだろうし」




と言った。




「はぁ………」




としか、私は言えなかった。




「さて食うか」




と言いながら、沖本君はお弁当を広げた。


律儀に並べられたおかずは、とても栄養のバランスが良さそうだ。


けれど、そんな事、私には関係ない。




そんな事より、何故いちいち私の隣に腰を下ろすのか。


そして、何故いちいち私の方をチラチラ見るのか。




意味が分からない。




「ん～うめ～」




お弁当を食べながら、沖本君はいちいちお弁当の感想を述べた。




静かに食べたい、とか言ってた癖に、結構喋っている。