ずっと沖本君を見詰めていると、沖本君が私の存在に気が付いた。




「あ、片岡。


おはよ」




沖本君は、軽く挨拶をしてきたので、私も




「おはよう」




とだけ言った。


そのまま、私は教室へ向かおうとしたが、




「片岡って、いつも朝早いよなー」




と沖本君が言ってきた。




「そうかな?」




と私は返事をしたが、内心、早く教室に行きたくて堪らなかった。


というのも、男子の話すのはあまり得意ではないからだ。




「結構な。


俺、朝はいつもこの時間にはここにいるから、大体分かるんだ」




へぇ…。


でも…。




「でも、沖本君の方が早いじゃない」