最初で最後の恋

「違うよ、それは誤解だよ!!」




平井さんが、初めて大声を出した。




「確かに、片岡さんは私の腕を引っ張ったけど、それは私を助ける為だったの!


私……南林先生に襲われそうになっていて……そんなところを、片岡さんが助けてくれたの!!


片岡さんは悪くないっ!!!


そんな、不良とか酷い事言わないでっ!!!!」




平井さんは、泣きながら安藤さんに訴え掛けた。




「………ごめん」




安藤さんも、小さい声で、そう謝るしか無かった。


そして、安藤さんは教室から去っていった。




平井さんは、泣きながら、鞄の中から除光液とティッシュを取り出した。


その除光液をティッシュに垂らし、私の机を拭き始めた。




「ごめんね………。


ごめんね、私のせいで………。


本当に、ごめん………………………」




そう、何度も謝りながら。