先生と平井さんが向かった方向へ進んでいく。


嫌な予感は増すばかりだった。




きっと、先生は前から平井さんの事を狙っていたんだ!


そうに違いない。


「分かった」って、あの時言った先生の言葉の意味……。


何となくだけど、分かってきた。


平井さんが委員の仕事をまともにしないから、先生はそれに対して怒る、という風に見せかけたかったんだ。




けれど、先生の目的は平井さんを怒る事じゃない…。


きっと、もっと酷い事だ………。




そんな事を考えながら走っていくと、一つの空いている教室に、平井さんと南林先生の影が見えた。


私は、コッソリと中の様子を窺う。




「平井、駄目じゃないか。


ちゃんと委員の仕事をしないと。


いつも、片岡が図書室の鍵を返しに来るじゃないか」


「ご、ごめんなさい…………でも……今は、ちゃんとやってます………。


もう、サボったりしませんから………」


「けどなあ………」


「ご、ごめんなさい…………」


「じゃあ、先生の言う通りにしてくれたら、許してあげよう」


「え………?」