あの時先生が言った、分かったという言葉に込められた意味が………どうしても引っかかるのだ。




ホームルームが終わると、私は前の席にいる平井さんの肩を少し叩いた。




「何かしたの?平井さん……。


南林先生は、結構優しいから……余程の事じゃないと呼ばれないと思うんだけど…………」




そう言うと、平井さんは




「私にも心当たりが無いの。


そんな、悪い事なんてしてないのに…………」




と、不安そうに呟いた。




だよね、と私が言って、そこで会話は終わった。




一体、何で平井さんが呼ばれたんだろう?


分からない………。




私はその日の六時限目まで、ずっと不安と疑問でいっぱいだった。