最初で最後の恋

「私はね、沖本君が大好きだったんだよ…………?


愛里が、沖本君と付き合うずうっっと前から。


一年の時、愛里と仲良くなる前からね……………?




あれはね、入学式の時だよ。




校門の辺りに、沢山桜の木があるじゃない?


その木の中で、一番小さい木があるよね」




一番小さい木……沖本君が埋まっていた場所か。


その木は、確かー……。




「あの木ね、切られてしまいそうだったのよ。


でもね、入学式の時、沖本君は切られそうになっていたあの気を、庇ったの。


『この木は、まだ、これからもずっと花を咲かせていけます』と大人たちに言った。


そして、あの木の世話を始めたの」




そうだったんだ…。


確かに、沖本君はそんな性格をしてる。


弱いものを守りたくなるような、正義のようで、正義でない性格をしてる。


いや、彼はもう死んでいるから、“していた”、が正しいだろうか。