シャベルを持っている雅。


間違いない。


掘り返すつもりだ。


沖本君を回収する為に。




「沖本君………ごめんね。


沖本君沖本君………。


愛里が、沖本君がここにいるって、気付いているみたいなの。


だから、沖本君を移動させないといけないの。


ごめんね、沖本君…………………」




雅は、悲しそうな、でも、どこか狂ったような目をして、ぼそぼそと呟く。


そして、まるで機械のようにシャベルで穴を掘り返していく。




ザクッ、ザクッ、ザクッ。


ザクッ、ザクッ、ザクッ。


ザクッ。




段々と見えてくる肉の塊。


手。


足。


頭。


胴体。


泥まみれで、汚くなった沖本君が、露になった。