-放課後-




部活があったので、すっかり遅くなってしまった。


はあ……もうすぐ7時になってしまう。




急いで私は靴を履き替えて、玄関を出る。




「あれ…………」




あの桜の木の下……。


沖本君がいつも世話していたあの桜の木。


その下にある、土。




「こんな色してたっけ…」




何故か、その部分の土だけ、色が濃い。


まるで、穴を掘った後に埋めたみたいな……そんな色をしている。


それに、臭う。


桜の木の近くにある金木犀の匂いのせいで、少し分かりにくいけれど…。


臭う。




鼻を劈くような、酷い臭いがする。