「早く見つかるといいね!


うちのクラスも、み~んな沖本君の事心配しているんだから!


勿論、彼女である愛里の事もね。


今頃、寂しがっているんじゃないかって」


「うん、ありがとう……」


「あ、もうすぐ一時限目始まりそうだね。


あ!そういえば、さっき美穂先輩が言ってたんだけど」


「平泉先輩が?」


「そう!


あのね、ちょっと耳貸して」




私は、奈々子に言われた通り、奈々子の口に近いところに移動して、耳を貸した。




「昨日、屋上に行く沖本君を見たって」




こそっと、奈々子はそう言った。




「……本当に?」


「美穂先輩は、ふざけるときはふざけるけど、


真剣な時は嘘は吐かないよ。


きっと、本当だと思う。


だから、もしかしたら屋上に行けば、何か分かるかもしれない………」


「そっか、ありがとう…奈々子」


「うん、じゃあね」




そう言って、奈々子は自分の教室に帰って行った。