それにしても、さっきから雅はまた昨日のようににやにやしている。


いや、それどころか、昨日以上に、気持ち悪く可愛く笑っている。




皆、沖本君が行方不明になったと聞いて、驚いたり悲しんだりしているのに、


雅一人だけ、笑っている。




やっぱり、雅が何かしたんだ。


まさか、監禁でもしたの……………?


それとも…………。




雅の事を気にしている内に、朝のホームルームが終わった。




「愛里ー!」




声のする方を振り向くと、そこには奈々子がいた。




「奈々子!」


「聞いたよ、沖本君どっかいっちゃったんだって!?


愛里、大丈夫!?」


「うん、平気だよ……私は」




私は、彼氏の事を心配している彼女を演じてみせる。




「沖本君、どこいっちゃったんだろうね………。


もしかして、何か事件にでも巻き込まれたとか!?


…ってごめんね!変な事言っちゃって」


「ううん、奈々子は悪くないよ。


私も、同じ事考えてたから」




もしかして、雅に何かされたんじゃないのかって。