「もう、沖本君に近づかないで」


「…っ!」


「沖本君とこれ以上関わったら、雅も沖本君も、


きっと傷つく…。


沖本君と、沖本君のお母さんに、もう関わるなって


言われたと思うけど、雅はそれでも、


沖本君に関わるつもりなんでしょう?」




なんで、そこまでわかるの?とでも言いたげな雅。




そう、その表情。


その私が今まで見た事の無かった雅の表情。


それを、もっともっと見たいの。




「お願いなの、本当に、絶対に関わらないでほしいの!」




私は、頭を下げてお願いした。




「お願い!!


雅にも沖本君にも、これ以上傷ついて欲しくないの!!」




平気で嘘を吐く私。




雅には、もっともっと傷ついて、私の知らない雅をもっともっと見せて欲しいし、


私の大嫌いな沖本君には、十分に傷ついて欲しい。