前に沖本君の家に来たときよりとは、何かニオイが違う……。


苦手なニオイに、好きなニオイが混じっているような……。


この家のニオイじゃないニオイが…。




このニオイ…何だか懐かしい…。


それに、どこか愛おしい…………。




何のニオイだろう……。


何のニオイだったっけ………………。




それから、沖本君の家に行く度に、長い髪の毛が落ちていた。




それを見つける度に、




「沖本君の事を疑ったりはしないよ。


沖本君は、私の事だけを好きだもんね」




と、沖本君を安心させるのが、段々面倒臭くなってきた。




そんなある日。