それから間もなく、扉が開いた。




「ご、ごめんな!母さんが勝手に入ってきちゃって…」


「ううん、いいよ!優しそうなお母さんね。


あ、そういえばさ…私の前に、誰か女の人を部屋に入れなかった?」


「え?何で?」


「これ…」




私は、さっき見つけた長い髪の毛を渡した。




「沖本君のお母さん、髪の毛短いから…沖本君のお母さんのじゃないと思うんだけれど………」


「何だろう…誰のだろう……?」




沖本君は、不思議そうな顔をしている。




「あっ!でも俺、愛里以外に女子とか入れてないし。


それに…俺は愛里一筋だし!!」




沖本君は、きっと嘘を吐くのは苦手な性格だし、


嘘を吐いても、きっとそれは見え見えの嘘になってしまうのは、


付き合ってすぐに分かっていた。




だから、沖本君は嘘を吐いていないと思う。