「あ、こ…こんにちは。


えっと、私、片岡愛里です」


「うふふ、話は聞いてるわ。


秀ちゃんの彼女さん…よね?」




髪の短くて、優しそうな女の人だなあ…。




秀ちゃん?


あ、沖本君の事か。


沖本君って、下の名前は秀一なんだっけ。


すっかり忘れてた。




「は、はい!」


「うふふ、こんなに可愛い子が秀ちゃんの彼女さんで良かったわ。


今日はゆっくりしていってね」




そう言って、沖本君のお母さんは出て行った。




と、その直後に




「ちょ、母さん!?


入らないでって言ったじゃないか」


「いいじゃない~。


秀ちゃんの彼女がどんな娘かな~って思っただけよ」


「だからって…」


「いい彼女さんもらったわね。


大事にしなさいよ」


「うん…」




という会話が聞こえてきた。