先生がそう言って立ち去ると、安藤さん達は集まった。




「ちょっと梓~、こういう時くらいは自分の事"あずあず"って言うのはやめてよね」


「本当~、ちょっと心の中で笑っちゃったじゃ~ん」


「え~?ごっめ~ん☆


許して~」


「許さなーい♪」


「え~そんなぁ~」


「あははははは!嘘だって」


「も~!」




笑いながら。




雅が自ら落ちた、というのは嘘だ。


だって、私は見たから。


安藤さんが、雅を突き落とすのを。


この目で、見たから。




けれど、私は彼女達が嘘を吐いたことに咎めたりしない。


その勇気がないのと、彼女達が嘘を吐いた事で、雅は一体どんな反応をするのだろうか、とわくわくしていたからだ。