普通なら雅へのいじめは許せないもので、


いじめを止めるべきなんだろうけれど、


雅への歪んだ愛情を持っていた私には、いじめられている雅をみるのは至高。


堪らない、極上のもの。


だから、止めなかった。




沢山の雅が見れるなら、それは構わない。




そう思っていた。




そんなある日、沖本君と一緒に下校していると、沖本君がふう、とため息を吐いた。




「どうしたの?」


「嗚呼…何かさぁ…。


最近安藤がやたらとうざくてさあ………」




安藤さん?


安藤さんって、あの、安藤円さんの事…?




「え?何かされたの?」


「うーん、やたら話し掛けてきたり、やたら体触ってきたりして…。


ちょっと気持ち悪いんだよなぁ………………」