「なんか取って欲しいぬいぐるみある?」


「う~ん。


あ、あれが良い!」




私は、適当に一番目立っていた大きなパンダのぬいぐるみを指差した。


手にはお花を持っていて、頭には大きなピンクのリボンがついている。


尻尾もちゃんと白色で、適当に選んだ割には、かなり私の好みのぬいぐるみだった。




「よーし、任せとけ!」




沖本君は腕を捲くると、機械に500円を入れた。6回プレイできる。




ボタンを押して、沖本君がUFOキャッチャーのアームを動かせる。




しかし、パンダにはちょっと当たっただけで、パンダの位置は少しズレただけだ。




「???」


「嗚呼、最初はこうやってずらしていくんだよ」


「へー……??」


「分かってないな…」