「実は……。


最近、平井に待ち伏せされる事があってさ…」


「待ち伏せ?」


「そう。


俺が帰って家に着きそうな頃には、絶対に俺の家の近くに平井がいるんだ。


最初は、偶然かなって思ったんだけどさ、


でも、俺ってサッカー部だろ?


結構忙しいし、帰りがかなり遅くなる事もあるのに、平井はずっと俺の家の近くにいる…。


おかしいだろ?


だから、今日言ったんだ、平井に。


もうやめてくれって。


そしたら平井、何故か俺が怒っているのは愛里の所為だと勘違いして……。


最低だよな、自分の所為なのに。自分がした事なのに」


「そうだね……………」




"最低"…ね…………。


そんなに執着されて、そんなに愛されて。


私にとっては"最高"なのだけれど…。




嗚呼。


今やっと分かったよ。


私が沖本君の事嫌いな理由。


沖本君が、雅に執着されているからだ。


雅が、沖本君の事を愛しているからだ。




私が、沖本君に嫉妬しているからだ。