井上先生の説教にやっと解放された頃には、もう始業式は終わりを迎えていた。


急いで教室に戻ると、いきなり私は、クラスメイトから痛い視線を浴びた。




「やっぱ不良だって、片岡さん」


「何かー、気分悪くて保健室の先生呼びに言ってた先輩の話ではー、


あの図体も体格もデカイ井上を言い負かしたとか何とか…」


「ええ~?マジで~?こわ~………」




そんな会話が耳に入ってくる。




「違います、井上先生は勘違いをしていただけで…」


「この茶髪は、生まれ付きなんです」




そう言いたいけれど、言えない………。


言葉が喉につっかえて、上手く言葉が出ない………。




嗚呼…結局、高校生活も、さほど楽しめないまま、終わりそうな、そんな気がしてきた………。