「親友だった私から、奪いたくなっちゃう程、好き……?」




それは…。


違う……。


だって、私は沖本君の事なんか、全く好きじゃないから。




「奪うとか、そんな………」


「奪ったんだよ、あんたは!!!」




雅が遂に、私に怒鳴った。




来た。


来た。




私の知らなかった雅が、出てきた!




「だって、雅が沖本君のことを好きなんて、全然知らなかったし……!」




私は、もっと雅が怒るように、もっと私の知らない雅が出てくるように、


わざと雅が苛立ちそうな事を言う。




「私は沖本君のことがずっと好きだったの!愛していたの!!


奪ったも、同然よ!!!」


「それはおかしいわ!!」




私は、またわざと雅が怒るように言い返した。