「じ、地毛です……」


「嘘を吐くな!!!」


「「っ!!」」




さっき、体育館で二年生の私語を注意した時とは、比べ物にならないような大きな声で、先生は怒鳴った。


私の隣にいた二年生も、その声の大きさに、肩をビクッとさせた。




「う、嘘じゃないです……」


「あ?染めたんだろ?何とか言ってみろよ」


「地毛です………」




そんなやり取りを続けていると、職員室に別の先生がやって来た。


私のクラスの、担任の先生だ。




えーっと、名前は確か…南林先生………。


だっけ?




「ちょっと、井上先生……」




南林先生が、今私を叱っている先生に声を掛けた。


この先生、井上先生って言うんだ…。




「何です?私は今、生徒の指導で忙しいんですがね」




鼻につくような、偉そうな言い方で、井上先生は言った。