雅が教室から出て5分位経ってから、私は教室を出た。


そして靴箱へ向かうと、そこには部活終わりであろう沖本君がいた。




「あ、一緒に帰ろうと思って」


「あ…うん………」




そうだ。


私達はあくまでも"恋人同士"なんだった。


一緒に帰る位、普通の事なんだ。




ローファーを靴箱から出して、上履きを脱いで、ローファーに履き替えて。




「じゃあ、行こうか」




沖本君はそう言うと、いきなり私の手を握ってきた。




「っ!?」




私は、思わず握られた沖本君の手を振り解いた。




「嗚呼、ごめん…。


恋人だから、手握ってもいいかなって…。


駄目かな?」