「ボーッとするな!!!!」


空海さんの一言で我に帰る。


「戦場だぞ!雑魚だけど気ぃ抜いたら殺られるぞ!!!!!」


「すいません!」


最近、護の言葉が頭から離れようとしない。


"死ねばいいのに"


イライラしたまま戦場に行き、ぶった斬る。


真夜中の街を駆け抜け、SK対処部隊の奴等を片っ端から斬る。


たまに女性の部隊もいる。


「.......」


私は黙って笑いながら斬るしかない。


笑わないと泣いてしまうから。


辛くなってしまうから。


SKが笑いながら斬る理由はそれが原因なのかもしれない。


空海さんの終わりの合図が鳴り、私が今夜を締める。


「では、みっなさぁ~ん!
今日のところは一旦退きましょう!
また会える日まで!!」


後ろを振り返り、ビルを駆け抜けていく。


赤いパーカーは血に染まっている。


赤いパーカーの理由は血を目立たなくするため。


でも、赤いパーカーの色はだんだん汚い茶色に変色する。


そんなパーカーを見て、ため息をついていると、空海さんが近づいてきた。


「おい、喜々。今日の戦いはなんだ。」


空海さんが赤いパーカーを脱ぎながら言った。


「....すいません。少し考え事してて...。」


空海さんは喜々の背中をトンっと叩いて、


「辛いのは分かる。」


と言った。


その空海さんの言葉は喜々の心に響いて、涙腺が緩む。


涙を出さないように、下唇をぎゅっと噛む。



「泣きたい時は泣けばいい。」


しかし、空海さんは私を泣かしてくれる。


「喜々の思いは間違えてない。」


空海さんはなんでも知ってる。


私の考えてることはきっと空海さんも一度、経験したのだろう。


だからこそ泣かせてくれる。


私たちの生き方は私たちが決める。


誰にも指図なんてうけない。