「次は誰にしようかなぁ。」


そういいながら、杏に目線が向いてることに気がつく。


それを防ぐように、喜々は杏の前に立った。


杏は一般人よりは優れているが、SKの中では一番の戦力外だ。


その行動に杏は察したのか、喜々の身体を避けた。


「大丈夫。.......護くん。私が相手になるわ。」


杏は前に足を進め、護の前に立った。


「女でも手は抜かない。」


護は刃を構えた。


杏も拳銃を両手に構える。


沈黙が流れ、両者はタイミングを探る。


その瞬間、沈黙がやぶれた。


先手を打ったのは、杏だった。


「.......っ!」


護の肩に弾がかすった。


「っち!」


SKで一番、動体視力が優れている杏が外すなんて...。


緊張してるのが伝わった。


「なかなかやるじゃねぇか。」


杏は拳銃を構え直し、タイミングをうかがう。


しかし、護の早さについてはいけなかった。


「きゃっ!」


護は杏の顔に刃を向けた。


「遅い。」


護は刃で杏のバンダナをとった。


「やっぱり杏ちゃんだったのか。」


護はバンダナがとれた杏の顔を見て、少し悲しい顔をした。


「気づいてたんだね。さすが、護くん。でも、手を抜きすぎたわね。」


護の頭には杏の拳銃が当てられていた。


杏の首にも護の刃が当てられていた。


「引き分けだな。」


護はそういい、刃を下ろした。


「力、抜いていいの?私、護くんを殺さない何て一言も言ってないけど?」


杏の拳銃はまだ護の頭に当てられたままだった。


「撃ってみろよ。」


護は杏を見つめた。


「.....本当に撃つよ?」


杏は拳銃の引き金に力をいれた。


「さようなら、護くん。」


..............バンッ!



拳銃の音だけがその場を奪った。


「.............空砲?」


護はニヤッと笑った。


「さっき拳銃を取り替えたんだ。」


護の手には拳銃が握られていた。


「....何が引き分けなのよ。これじゃ私の負け。.......殺して。私は覚悟できてる。」


杏は拳銃をおさめ、身体をさしだした。


「勝負はついた。それに女を殺る趣味はないよ。」


そう言い、護は杏に笑いかけた。


「..........ありがと」


杏は礼をいい、後ろへ下がった。


      第二戦


      護VS杏


   勝者      護



   死者     0人