二人は睨みあい、刃を構えた。


「いつでもいいぜ、少年。」


護の挑発に優喜は珍しく冷静に対応する。


その瞬間、二人の刃が混じりあった。


ほとんど互角に見えるが、おそらく護はまだ本気を出していない。


少し優喜のほうが押されている。


優喜は刃の混じりあいを振り払う。


距離をとり、再び刃を構える。


そして、持ち前のめちゃくちゃな攻撃で護を攻める。


「なかなかやるねぇ。でも....甘いな。」


でたらめ攻撃を全て交わし、攻撃を仕掛ける。


「腰、脇、足。全部まだ甘い。」


そう言いながら、刃で優喜を傷つける。


「優喜........!」


とっさに出た声。


一瞬、護と目があった。


その表情は微笑んでいるように見えた。


「もう勝負は決まったな。」


護は優喜の首に刃を当て、少し血を流させただけだった。


「君は若い。もっと強くなれる。俺は未来の可能性を消す義務はない。」


優喜の首から一粒の血が流れる。


「殺せよ..。」


「ん?どうして?」


「こんな勝負あるか!!!!最後までちゃんとしろよっ!!!!」


優喜は睨みつけ、護に怒鳴り散らした。


すると、護は優喜に近づき、耳のそばで呟いた。


『死にたいか?』


優喜は何も言い返せなくなった。


皆そうだ。


覚悟は固めているはずなのに、いざとなると、どうしても怖がる。


それが当たり前。


誰もが死ぬことを恐れている。


優喜は何も言えず、その場に座り込む。


「姉ちゃんは大切にしろよ。」


そういい、優喜の肩を軽く叩く。


       第一戦


      護VS優喜


     勝者   護


    死者   0人