........え?


護......?


顔も声も護だ。


頭が追いつかない。


護が.......仮面野郎?


嘘よね?


「俺は名乗った。顔もさらした。お前も顔をさらして名前を名乗れ。」


名乗れるわけにないじゃない。


名前なんて.......。


ましてや、顔なんてさらしては命の危険性が増すだけ。


SKの決定事項だ。


「私は名乗らない。」


その言葉に護は切れた。


「ふざけるな!!!!!!」


今にも飛びかかってきそうな気迫。


圧倒される。


「SKは名乗っちゃいけない。」


護は真面目な顔をして、近づいてくる。


身の危険を感じた。


咄嗟に刃を構える。


「来るな!!!!!!!」


左手も構え、威嚇する。


しかし、護は恐れることもなくどんどん近づいてくる。


「大丈夫。俺は誰も殺さない。」


.......誰も殺さない?


ふざけるな......。


"死ねばいいのに"って言った張本人が何を今更.....。


「綺麗事ばかり並べるな!!!!!」


息を切らして怒鳴る。


頭に血が登っている。


自分でもそれは分かっている。


でも、抑えれない。


落ち着け..........落ち着け.......。


「.....名乗らない。でも、これだけは言っておく。」


両手を納め、護のことをまっすぐ見つめる。


「....真夜中では敵対している組織。
でも、昼間は仲の良い友達かもしれない。
赤の他人かもしれない。」


それだけ言って、後ろを向き、隣のビルへ飛び移る。


「ま、待て!一体どういう意味...」


護の話も聞かず、無我夢中で距離を置く。