大野の話しに紅美は、予想以上に夢中になっていた。
話し方といい、話のネタの引き出しといい、自分に引き込むのがうまかった。紅美は始め、そんな色仕掛けのような接し方には屈しないつもりでいたのだが――。
「え? 大野さんって元デザイナーだったんですか?」
「えぇ、そうなんです。でも、お客様と接していく仕事の方が僕に向いてる気がして……今は販売員として仕事をしてるんです。あ、ちなみにこの指輪は僕がデザインしたものです」
左の中指にはめられている指輪を見せられると、それが存在をアピールするようにきらりと紅美の前で光った。
話し方といい、話のネタの引き出しといい、自分に引き込むのがうまかった。紅美は始め、そんな色仕掛けのような接し方には屈しないつもりでいたのだが――。
「え? 大野さんって元デザイナーだったんですか?」
「えぇ、そうなんです。でも、お客様と接していく仕事の方が僕に向いてる気がして……今は販売員として仕事をしてるんです。あ、ちなみにこの指輪は僕がデザインしたものです」
左の中指にはめられている指輪を見せられると、それが存在をアピールするようにきらりと紅美の前で光った。



