甘いヒミツは恋の罠

※ ※ ※


 午後八時――。


 紅美は、なんとか約束の時間に指定された場所へたどり着いた。しかし、目の前にあるのは居酒屋でもバーでもなく、ギラギラとネオンの煌くいわゆるクラブだった。


(か、帰りたい……)


 店内の騒々しいBGMが外にまで聞こえてくる。


 先日、瑞穂から電話が来た時に詳しい話しを聞いておけばよかったと後悔しながら、仕方なく紅美は地下へ繋がる階段を降りていった。