甘いヒミツは恋の罠

「な……どうして、これを……?」


 紅美の手のひらでキラキラと変わらぬ輝きを放っているルビーのネックレスに、朝比奈は信じられないものを見るかのように目を丸くしていた。


「色々あって、結局持ち主のところへ戻ってきた……みたいです」


「……んだよ、それ……」


 朝比奈が脱力して頭を抱えながらその場にしゃがみこんだ。


「あ、朝比奈さん……?」


「俺がどんだけ心配したと思って……くそ」


 ガシガシと頭を掻き、勢いよく朝比奈が立ち上がったその時だった。


「きゃ――!」


 それは、一瞬の出来事過ぎて何が起こったのかさえわからなかった。気が付くと、紅美の手のひらからルビーのネックレスが消えていた。


「カモメ……?」


「う、嘘だろー!?」


 一羽のカモメが短く鳴きながら飛んでいる。よく見ると、嘴にはネックレスがくわえられていた。