甘いヒミツは恋の罠

 薄暗いせいであんなところにもう一つ部屋があることに気付かなかった。紅美の胸にほんの少しの好奇心が芽生え、それを押さえ込もうにも既に足がその光に誘われて踏み出していた。


(誰かいる……)


 部屋の中で人の気配を感じ、紅美はそっと息を殺して隙間から中を覗いてみた。


 すると――。


「あ……」


 部屋に居たのは真剣な顔つきで何かをデッサンしている最中の朝比奈だった。先日のおちゃらけた朝比奈とはまた別の顔に、紅美は思わずどきりとした。


「誰だ」