甘いヒミツは恋の罠

※ ※ ※

 屋上へ行くと、一足先に葵がいた。ヘビースモーカーな葵は、すでに二本目の煙草に火をつけようとしていた。


「すみません。お待たせしました」


「んーん、待ってないわよ~呼び出したのはこっちなんだから、悪いわね仕事中に」


「いえ……」


(あれ? 葵さんってこんな人だったっけ……?)


 その角が取れたような葵の柔らかな口調に、紅美は前回とは違った印象を覚えた。


「いい天気ね~」


「そ、そうですね」


「こういういい天気の日にはパーっとどっかに遊びに行きたい気分ね」


 なかなか本題に入らない葵に紅美がやきもきし出すと、そんな紅美に気がついたのか、葵はクスッと笑った。