甘いヒミツは恋の罠

 沢田の地図通りに来たつもりだったが、余りにも簡略化されて書かれていたため、実際にこんなにバス停から距離があるとは思わなかった。


 もしかしたら遭難してしまったのではないかと何度も恐怖したが、ひたすら歩いてようやく灯りの点ったロッジを発見したのだ。


「もうここじゃなかったらどうしようかと思いました」


「どうやってここへ来たんだ……?」


「どうやってって、新幹線と電車とバス、それに徒歩です」


 未だに現実が飲み込めていない朝比奈に、紅美が全身についた雪を振り払いながらさらっと言った。


「とにかく中に入れ」


「はい、それではお言葉に甘えて……」