甘いヒミツは恋の罠

「っ!?」


 身体をビクンと跳ねさせて目が覚めると、すっと体温が下がって紅美はぶるりと身体を震わせた。


(……夢?)


 一人の男が、頭を抱えながら膝をついてもがき苦しんでいる妙な夢だった。目が覚めた瞬間、その男が言っていた言葉が記憶から飛んでしまい、夢見が悪かったとしか印象に残すことができなかった。


(あの人は一体――)


 その時――。


「次は~○○前~○○前です」


「あ、降ります!」


 車内アナウンスに我に返ると、紅美は慌ててバスを降りた。