「そ、そうだ! ファックスを送信すればいいんじゃなですか?」
「残念ながら、あのアトリエに通信手段はありません。なんせ、朝比奈店長が外部からの接触を完全シャットアウトするために設けられたような施設ですから、携帯があったとしてもおそらく電波も入るような環境じゃありません。ったく、行くなら行くって事前に言ってくれればいいものの……」
最後の方はぶつぶつと文句を言いながら、沢田は書類整理の続きに手を動かし始めた。
(うぅ……そんなぁ……)
自分から届けに行くと言ってしまった以上、引き下がるわけにもいかない。
(完全に沢田さんに嵌められたわ……)
「はい、これで全部です。今から行けば夕方には現地に着くと思います」
「え? 今からって、今まだお昼にもなってないですよ?」
「えぇ、新幹線に乗ってローカルに乗り継ぎ、そこから確かバスだったと思います。朝比奈店長は自分の車があるから、気が向いた時に通ってるみたいですけど、僕はもうあの場所はできれば遠慮したいですね」
(行く前からそんなこと言わないでよぉ……)
紅美はその時、ふと今朝の占いを思い出した。
蟹座のあなた、思い立ったらすぐに行動に移すと吉――。
それが吉と出るか、凶と出るかまだ誰も知る由もなかった。
「残念ながら、あのアトリエに通信手段はありません。なんせ、朝比奈店長が外部からの接触を完全シャットアウトするために設けられたような施設ですから、携帯があったとしてもおそらく電波も入るような環境じゃありません。ったく、行くなら行くって事前に言ってくれればいいものの……」
最後の方はぶつぶつと文句を言いながら、沢田は書類整理の続きに手を動かし始めた。
(うぅ……そんなぁ……)
自分から届けに行くと言ってしまった以上、引き下がるわけにもいかない。
(完全に沢田さんに嵌められたわ……)
「はい、これで全部です。今から行けば夕方には現地に着くと思います」
「え? 今からって、今まだお昼にもなってないですよ?」
「えぇ、新幹線に乗ってローカルに乗り継ぎ、そこから確かバスだったと思います。朝比奈店長は自分の車があるから、気が向いた時に通ってるみたいですけど、僕はもうあの場所はできれば遠慮したいですね」
(行く前からそんなこと言わないでよぉ……)
紅美はその時、ふと今朝の占いを思い出した。
蟹座のあなた、思い立ったらすぐに行動に移すと吉――。
それが吉と出るか、凶と出るかまだ誰も知る由もなかった。



