紅美の心底傷ついた顔が頭から離れない――。
朝比奈は紅美が去った後も、ただひとりずっと展望台が閉鎖されるまで同じ景色を眺めていた。
外は雪がちらつき始めている。今ごろ傘も差さずに紅美は濡れながら歩いているに違いない。朝比奈はひやりと冷たいガラスにそっと手をついた。
全てをぶちまけたことで完全に紅美を傷つけてしまったが、皮肉にもそれが肩の荷が降りたようですっきりとした気分になった。けれど、紅美の今にも泣きそうな顔を思い出すたびに胸が抉られるような感覚だけは、変わらず朝比奈を苛ませた。
紅美が神楽坂涼子の孫娘だということは初めは知らなかった。彼女を初めて見た時、胸元で光るルビーの光に思わず目がくらんだ。
ルビーから放たれた甘い誘惑とその秘密に、朝比奈はまさかと思いながら調べると、皆本紅美がかの有名な神楽坂涼子の血縁だと知った。
それからだ。朝比奈の中に悪魔が生まれたのは――。
朝比奈は紅美が去った後も、ただひとりずっと展望台が閉鎖されるまで同じ景色を眺めていた。
外は雪がちらつき始めている。今ごろ傘も差さずに紅美は濡れながら歩いているに違いない。朝比奈はひやりと冷たいガラスにそっと手をついた。
全てをぶちまけたことで完全に紅美を傷つけてしまったが、皮肉にもそれが肩の荷が降りたようですっきりとした気分になった。けれど、紅美の今にも泣きそうな顔を思い出すたびに胸が抉られるような感覚だけは、変わらず朝比奈を苛ませた。
紅美が神楽坂涼子の孫娘だということは初めは知らなかった。彼女を初めて見た時、胸元で光るルビーの光に思わず目がくらんだ。
ルビーから放たれた甘い誘惑とその秘密に、朝比奈はまさかと思いながら調べると、皆本紅美がかの有名な神楽坂涼子の血縁だと知った。
それからだ。朝比奈の中に悪魔が生まれたのは――。



