甘いヒミツは恋の罠

「うわぁ、すごい! 綺麗ですね」


「クリスマスだからな、今夜は特別なんだろ」


(それにしてもカップルだらけ……もしかして、私たちも周りから見たらそんな風に思われてる……よね?)


「こっちだ」


「あ……」


 朝比奈にさりげなく右手をとられてタワーの展望台へと続くエレベーターへ乗り込んだ。


「痛っ」


「大丈夫か?」


 すし詰め状態のエレベーターの中、紅美は不可抗力で朝比奈の胸に自身を押し付けるような体勢になってしまった。


 ほんのり胸元から香る大人のフレグランスにくらくらと目眩をおこしそうになる。すると、朝比奈の手が、すっと紅美の頭を撫でて髪を梳いた。


(朝比奈……さん?)