甘いヒミツは恋の罠

「っ!?」


 夢なのか現実なのかわからない声がしたような気がして、紅美はびくりとして息を呑んだ。


「…………」


 横目で朝比奈の視線を感じると、紅美は気まずい空気を黙ってやり過ごすしかなかった。



(あれ? ここって……)


 数十分車で走ったところで、朝比奈の運転する車はとあるタワーの駐車場に入っていった。


 オリエントタワー。


 この近辺では有名な高層タワーで最近改築されたばかりの人気スポットだ。


 今夜のクリスマスのために煌びやかなイルミネーションが、先程までの悶々とした紅美の気分を高揚させていった。