甘いヒミツは恋の罠

※ ※ ※


「えーっと、カフェラテひとつお願いします」


「はい、かしこまりました」


 最近、紅美は仕事が滞ったりすると、いつも決まって会社近くの喫茶店に行くことにしていた。異動初日に来て以来気に入っているのだが、朝比奈と偶然出会ったいわくつきの場所でもある。


(まさかあの時のストロベリーサンデー男が店長だったなんてね……)


(しかも今度から毎日顔を合わせなきゃならないなんて……)


 紅美は、描きかけのデザイン画をぼんやりと見つめながらそんなことを思っていた。


「お待たせしました。カフェオレと……ストロベリーサンデーになります」


「……へ?」


(ストロベリーサンデー……? そんなの頼んだ覚えは――)


 驚いて紅美が顔をあげると――。