「あなたみたいに派手だったらオシャレの最先端行ってるって言いたいんですか? そんなの見かけだけですよ」
「な……」
「私だって地味ながらも一生懸命やってるんです。馬鹿にしないでください」
言われたら倍にして言い返す。それは紅美の欠点でもあり、時に利点でもある。が、葵の表情はみるみる強ばって、徐々に怒りに変わっていった。
(あー……やっちゃった)
「帰るわ!」
拳をふるふる震わせながら、葵は大股歩きでズカズカと部屋を出て行った。力任せに閉めたドアがバタンと派手な音を立てて廊下に響く。
「す、すみません……私――」
紅美と葵のやり取りを見ていた朝比奈は両肘を付き、組んだ指に額をくっつけてじっと俯いている。
「な……」
「私だって地味ながらも一生懸命やってるんです。馬鹿にしないでください」
言われたら倍にして言い返す。それは紅美の欠点でもあり、時に利点でもある。が、葵の表情はみるみる強ばって、徐々に怒りに変わっていった。
(あー……やっちゃった)
「帰るわ!」
拳をふるふる震わせながら、葵は大股歩きでズカズカと部屋を出て行った。力任せに閉めたドアがバタンと派手な音を立てて廊下に響く。
「す、すみません……私――」
紅美と葵のやり取りを見ていた朝比奈は両肘を付き、組んだ指に額をくっつけてじっと俯いている。



