「ごめんなさい! どっかで会ったことある子だって思ったら!」
(最初から気づいてたくせに……)
紅美は、演技のような葵の態度に顔を曇らせた。
「随分と若いし、可愛らしい顔してるからついこの間まで学生さんだったんじゃないかって思っちゃったわ」
「おい、葵、無駄話してないで用が済んだらとっとと帰れ」
「なによぉ~瑠夏、冷たいわね」
(あ、葵?……瑠夏?)
名前で呼び合うほどこの二人は親しい間柄なのだ。紅美は、水を差すような存在になりたくなくて、ソフトの入ったケースを手に取ると、そそくさと出ていこうとした。
その時――。
「ダサ……」
「え……?」
ボソッと呟いた葵の言葉に紅美の動きが止まる。
(最初から気づいてたくせに……)
紅美は、演技のような葵の態度に顔を曇らせた。
「随分と若いし、可愛らしい顔してるからついこの間まで学生さんだったんじゃないかって思っちゃったわ」
「おい、葵、無駄話してないで用が済んだらとっとと帰れ」
「なによぉ~瑠夏、冷たいわね」
(あ、葵?……瑠夏?)
名前で呼び合うほどこの二人は親しい間柄なのだ。紅美は、水を差すような存在になりたくなくて、ソフトの入ったケースを手に取ると、そそくさと出ていこうとした。
その時――。
「ダサ……」
「え……?」
ボソッと呟いた葵の言葉に紅美の動きが止まる。



