青い空

「はーい、静かに!転入生を紹介するぞー!入ってこい」
先生の雑な説明で教室に足を踏み入れたら…ひときわ輝く男子が……居る訳もなく教卓の隣に行った。

「野口茉莉です。よろしくお願いします。」

「はいはーい!茉莉ちゃんは彼氏居ますかー??」

うざい。だけどここは笑顔で。

「居ませんよ」

「ま、まじ?!よっしゃー!!俺一目惚れした!!」

「龍、うるさい。恥ずかしいから大声出すなよ。」

「はぁ?!あんなにも俺の好みの子見たことねぇぞ?どストライクなんだよ!モテ男の恭平様にはわかんないでしょうね!!」

…は?何言ってんの?こいつ?

「じゃ、あいつは無視して野口の席は…確か……あ……。」

「え?」

「嫌かも知れないが、山田の隣だ。」

「?は、はい。…でどこですか?」

初対面の人を嫌だなんて思うわけないじゃない。てゆうか、山田さんって誰?

「茉莉ちゃん!俺の隣!!」

「…え?」

山田さんってあいつかよ…。転入生に彼氏持ちが聞くほどの人間の隣。はぁ…

「野口ちゃん、よろしく!私は富田雪乃!ゆきって呼んでね♫」

「よろしく、私の事は…。」

「前の学校でなんて呼ばれてたの?」

「えっ、と。のぐ って呼ばれてたよ」

「じゃあ、のぐって呼ぶ!!」

「うん、よろしくね」