「はー!おいしかったなー!」


「イチに感謝だな。」

イチというのは市川幹人くん。千秋の一番の親友。
そしてクレープの半額券をくれたひとだ。

見た目も考え方も大人。
ということもあってか、年上から相当モテるらしい。
女子大生をとっかえひっかえしているという噂は
学校で知らない人はいない。

話してみるとそんな風には見えないのだけど・・・。


「そうだね。明日お礼言わなきゃね。」


「じゃあまた明日なー。」

「うん。じゃね。」

千秋が家の中に入るまで見届ける。なぜかこれは14年続けている。
見届けてからわたしも家の中に入る。


「今日は食べすぎたな。・・・おいしかったしいっか!」

独り言をいってベッドに寝転んだ。