「うそ、目ェ泳いでるし。
それに蛍、うそとかつくとき必ず両手をグーにするじゃん」

美凪に言われ視線を下に落とすと、見事に両手をグーにしたわたしの手がみえる。

「あ―…その―…、ね?」

「ね? じゃなくて、なにうそついてるの?」

顔を覗きこまれ、更に視線をそらしてしまう。

あぁ、わたしのばか―!

「ほら、蛍。怒らないから言ってごらん」

優しく、親が子を諭すときのように声をかけてくる美凪。

もう観念して言ってしまおうかと思ったとき、浅倉さんの声が。

「まあまあ、前野さん」