それなのに。
何者かによって、有咲は殺された。
氷さんが犯人を捜してくれたけど、今だ見つかっていない。
私は有咲が言っていた、「殺し屋を辞めろ」というのを無視していた。
冗談だと、笑い飛ばしていた。
でも、目の前で有咲は亡くなった。
有咲の言っていたことが、冗談だと思えなくなった。
私は最後の依頼を受け、殺し屋を引退した。
その依頼は。
有咲の死から4日後、ある依頼人が来て、ある男を殺してほしいと言って来た。
氷さんから「ダークの最後の仕事にしろ」と言われ、乗り気ではなかったけど、ターゲットの名前を聞いて、私は依頼を受けた。
ターゲットの名前を、私は知っていた。
有咲の両親と弟を殺した、通り魔だった。
有咲は通り魔の名前は掴んでいた。
ただ、どこに住んでいるか知らなかったため、殺すことが出来なかったのだ。
有咲はもう死んでいるから、犯人に復讐ことは出来ない。
だったら、私がしてやろう。
有咲の無念を晴らすんだ。


