元殺し屋と、殺し屋










「あらぁ、どうしたのよぉ」



間延びした、馬鹿そうな女の声。

多分、カナエの方だろう。



てか、知り合い?





「・・・タケシ」

「何でいるんだよ」





タケシさんの焦った声が聞こえる。

タケシさんの焦る、女の声。

誰かしら・・・?





「1度だけチャンスをあげるわ。
お姉ちゃんではなく、あたしを今ここで取れば、タケシは殺されずに済むわ」




お姉ちゃん・・・?




もしかして、依頼者の富岡カナコさん!?

間抜けそうなロンリネスは気が付いているのかしら?




「ロンリネス?」

「・・・どうした?」



さっきまで敬語を使っていたのに、突然タメ口になったわ。

声も大人っぽくなっている気がする。