「もしかして氷さん気にして電話してくれたんですか?
嬉しいです、ありがとうございます」

『あ・・・実は違うんだ。
気にしていたのは事実なんだけど、本当の用件は別にある』




別の用件・・・?




『紅羽。
僕の一生のお願い、聞いてくれる?』

「氷さんの頼みなら聞きます。何ですか?」




『紅羽。
もう少しだけ、ダークになってくれないか?』





「は・・・
はああああああ!?」




何を言っているんだ氷さんは!

私にダークになれ!?

もう1度殺し屋になれってことだよね!?




「嫌ですよ!
世界一の殺し屋・ダークはもう封印したんですよ!?
それなのに、どうしてまた復活させるんですか!!」

『実はこの間、殺しの依頼が入ったんだ。
紅羽の後に世界一の殺し屋になった子が、依頼を引き受けることになったんだけど。
その殺し屋が、ダークと一緒に仕事をしたいと言いだしたんだ。

紅羽は殺し屋を引退したから、僕は無理だと断ったんだ。
そうしたらその子、仕事をしないってストライキ起こしちゃって。
依頼者から“まだかまだか”催促を受けているんだ。

僕も上から“ダークを復活させろ”って命令受けちゃったし、逆らえば僕、殺されちゃうんだよ。
紅羽、僕のためだと思って、ダークを復活させてくれない?』